刑事事件

本人が起訴される前の刑事弁護活動としては、弁護士が被疑者本人や親族から弁護の依頼を受けて、まず、被疑者に接見(面会)して被疑事実の確認や被疑事実に関する諸事情を聴取します。同時に、被疑者の権利である「黙秘権」などを伝え、今後の捜査や起訴された場合の刑事裁判手続の流れを助言します。多くの方は逮捕勾留されたらどうなるかわかりませんから、そのことを知るだけでも本人は気持ちが落ち着くものです。
特に否認事件では、刑事裁判(公判)で重要な証拠となる供述調書の作成に当たっての注意点や被疑者の言い分を正確に誤解のないよう調書に記載してもらうように具体的な助言します。場合によっては調書を作らせないようにすることもあります。起訴前弁護ではこの点が一番重要になってきます。
容疑事実を認めている場合でも、供述調書の内容いかんでは情状面で不利になってきますので、その点を助言して誤解がない調書を作成してもらうようにしております。
同じ事実であっても、その事実の評価の問題(特に主観的認識、故意や目的の存否)があります。供述調書の記載の表現の仕方次第で故意などの認定が左右されるため、黙秘権を行使しないのであれば正確な供述をするよう助言しております。正確な調書を作成してもらうことで、証拠不十分との理由で起訴猶予処分となり釈放されることもあれば、起訴内容において量刑の軽い犯罪での起訴となることもあります。
その意味では起訴前弁護は極めて重要で、起訴後に弁護士を依頼したのではタイミングを失することも十分考えられます。起訴前から弁護士に刑事弁護をご依頼された方がよろしいと思います。
また、個人的法益を侵害する犯罪の被疑事実において、被疑者が争わず認めている場合には、起訴・不起訴の処分の決裁がなされるまでに被害者との示談を取り付ける弁護活動を行うことになります。
当事務所では決裁までに時間があまりない場合でも被害者の方の都合がつく限り日時を問わず示談交渉に取り組んでおり、時間帯にも寄りますが、被害者のご都合がつけば弁護依頼当日の示談交渉も対応できる体制をとっております。
起訴処分の決裁がなされるまでに示談がまとまった場合には重大事案(たとえばひき逃げなど)以外では、起訴猶予処分となるか、起訴されても略式請求(罰金刑)にとどめられる可能性がありますので、早期の示談対応は極めて重要です。

1 身柄を解放する活動
 逃げたり証拠の隠滅をする恐れがある場合は、検察官の請求が裁判所に10日間(必要がある場合は、あとでさらに最大10日間の延長の請求も可能)勾留することを請求し、裁判所がこの請求に従って勾留を認める場合があります。逮捕直後の段階では、この勾留を回避する活動を行うことができます。
(1)検察官が勾留を請求する前の段階
 まだ検察官より裁判所に勾留請求がなされていない段階では、その容疑となっている犯罪が比較的軽微なものであり、本人が容疑の事実を認めているときには、弁護士が本人に接見してそのことを確認するとともに、本人の両親なり配偶者(妻ないし夫)に身元引受人として検察庁からの呼び出しがあれば必ず出頭させるなどを内容とする上申書を作成して検察官に提出するとともに、検察官に弁護士が面会を申し入れて勾留請求しないように要請します。あとは検察官の判断の問題となりますが、軽微な犯罪容疑で本人が認めるとともに、本人及び家族の身元が確実なものであれば、勾留請求せずに釈放となることもあります。
(2)検察官が裁判所に勾留を請求した後の段階
 次に、勾留請求が検察官から裁判所になされた場合には、担当裁判官に家族の上申書を提出するとともに、裁判官と面接して具体的事情を話して勾留決定をしないよう求めることになります。この場合も、軽微な犯罪容疑で本人が認めるとともに、本人及び家族の身元が確実なものであれば、裁判所が勾留の必要性がないとして、勾留決定せずに釈放となることもあります。
(3)裁判官が勾留を決定した後の段階
 裁判官が勾留を決定した後でも、その決定が違法・不当な場合は、「準抗告」といって、改めて3人の裁判官によって見直してもらう手続があります。この準抗告が認められることは稀ですが、この申し立てが認められると、勾留決定が取り消されて釈放される場合があります。
2 被害者の方への対応
 本人が事件の内容を認めている場合は、早急に被害者の方への対応が必要です。もし相手の方の連絡先が分かっていて、本人が謝罪等の意向を示している場合は、連絡を取って示談等に向けた協議を開始します。

まず、当然のこととして弁護士が本人に接見して、容疑事実を認めているか、否認しているかを確認します。実際は容疑事実を行ったが、否認している場合には、否認することのデメリットを説明して、本人が警察官、検察官に容疑を認めることになった場合には、示談交渉をすることで不起訴処分を勝ち取る弁護活動をすることになります。
もとより、当初から容疑事実を認めている場合も同様に示談交渉などをして不起訴処分を勝ち取るよう弁護活動を行います。

共犯事案などでは口裏合わせなどの証拠隠滅の恐れがあるために、弁護士以外の者は親族であっても接見(面会)が禁止されることが一般です。通常は、接見だけでなく、手紙のやり取りや書籍の差し入れも禁止されます。
もっとも、事件に関係していない親族について、証拠隠滅の恐れがないと裁判所が判断されるようなときは、「接見禁止解除の申立」をすることで親族に限って接見禁止が解除され、面会や手紙のやり取りができるようになることがあります。
なお、接見禁止がついても衣服や現金などは差し入れることができます。

起訴によって捜査が終わったことから、被告人は裁判所に対して保釈請求をすることが可能となります。保釈請求がなされると、裁判所は検察官の意見を聞いて記録を検討した上で、裁判所が罪証隠滅の恐れがなどがなく保釈しても問題がないと判断した場合には保釈を許可し、許可に際して定められた額の保釈金が納付されれば釈放されます。
皆様の中には、起訴された場合には保釈金を裁判所に納付されれば本人が保釈されるとお考えの方が少なからずおられます。しかし、裁判所は刑事訴訟法に照らして、保釈条件(罪証隠滅の恐れがない場合など)を満たしているかを検察官の意見も考慮して判断し、保釈条件を満たしていると裁判所が判断した次の段階で、保釈金をいくらにするかを裁判所が判断し、保釈金納付して保釈決定という流れになっております。従って、裁判官の判断によっては保釈が認められないこともあります。
一般的には起訴された事実(「公訴事実」といいます)を被告人が争っている場合には第1回公判までは保釈決定がなされないことが大半ですが、裁判員裁判の導入によって保釈に関する裁判所の方針に変化が見られ、軽微な事案の否認事件、たとえば、いわゆる痴漢の否認事件などでは、場合によっては裁判所が保釈決定をすることも見込めます。

裁判員裁判は複雑な手続となりますので、ここでは単独事件(裁判所が1人の裁判官で構成される場合)を前提として述べさせて頂きます。
単独裁判では検察官からの証拠開示が第1回公判の2週間ないし3週間ほど前になされます。 

1 弁護方針の決定と証拠の検討
検察官から、今回どのような事件で起訴したのかを記載した「起訴状」が本人宛に届きますので、この内容を争うかどうか、争うとしたらどの点を争うのかなどを検討します。
また、検察官が公判で証拠として提出することを予定するものが事前に開示されますので、弁護士は開示された証拠を閲覧・謄写して被告人本人に渡し、各種の証拠や供述調書の「同意」「不同意」(「同意」とは調書内容に誤りないものとして、公判で証拠とすることに同意することを意味します)の確認をして、公判において検察官の提出証拠に対する証拠意見でどのような主張をするか検討します。

2 情状事件での公判弁護活動
被告人である本人が起訴事実(公訴事実)を認めている情状事件で、個人的法益(生命、身体、自由、財産権など)を侵害した犯罪ないしその未遂の事件では、起訴前弁護活動で示談がまとまらなかった場合、あるいは起訴後に弁護依頼を受けた場合には、弁護士は弁護人として示談交渉をすることになります。被害者が被害感情から示談が取り付けられない場合には、被害弁償をすることになります。被害弁償を受け入れていただけない場合には供託をするなどします。事案によっては被害弁償も執行猶予判決にとり重要な決め手となってきます。
情状事件では併せて家族や勤務先社長などに身元引受人として今後監督することを証言してもらうために証人として出廷してもらうために、証人尋問に関して打ち合わせをしたりします。証人としての出廷が困難である場合は、上申書の作成をお願いします。
同時に、被告人本人と被告人質問での問答の打ち合わせをするなど公判での弁護活動の準備に取り組みます。

3 公訴事実を争う事件での公判弁護活動
他方、被告人本人が起訴事実(公訴事実)を争っている場合には、本人と詳細な打ち合わせをして争点を絞り込み、重要な争点を中心にどのような反証活動を行うかを打ち合わせします。
弁護側の証拠として、新たな証拠の収集活動や目撃者などの証人申請の準備を行い、被告人質問についても準備をすることになります。

また、検察側証人への反対尋問の準備として、その証人の供述調書を詳細に検討して公判での証人尋問に備えます。

1 「冒頭手続」
第1回公判手続では、冒頭手続として、裁判官の人定質問(人違いでないか、本人に氏名や本籍等を訊ねて確認する)、検察官による起訴状朗読、黙秘権告知ののちに被告人による罪状認否・弁護人の意見陳述(被告人及び弁護人が起訴状の内容を争うかどうかを明らかにすること)があります。
この冒頭手続によって、裁判で何を争うかが明らかになります。

2 「証拠調べ手続」
「冒頭手続」ののち、検察官が冒頭陳述(立証によって明らかにしようとする犯罪事実や情状関係の陳述)を行います。否認事件の場合には、弁護人からも冒頭陳述(立証によって公訴事実が事実とは異なることを明らかにしようとする内容の陳述)を行うことがあります。
その後、検察官から調書や証拠物についての証拠申請があり、弁護人は検察官の証拠申請に対して被告人の意見を踏まえて、「証拠意見」(同意不同意や異議の有無)を述べることになります。
弁護人が不同意にした供述証拠関係で、検察官が公訴事実の立証に不可欠と考えた供述者については証人申請をします。通常、裁判所はそれを採用して証人尋問をすることになります。他方、弁護人も被告人に有利な証拠を申請します。
被告人が起訴事実(公訴事実)を否認している事件では、検察官・弁護人双方がそれぞれ必要な証人の申請をして証人尋問をすることになります。
被告人が起訴事実(公訴事実)を認めている情状事件では、示談が成立すれば示談書などの証拠申請を行うほか、身元引受人である親族などの証人申請をすることになります。

3 公判を行う回数
(1) 情状事件の場合
情状事件の場合には、情状証人の証人尋問の後に被告人質問を行って証拠調べを終えて、検察官による「論告求刑」、弁護人による「弁論要旨」の陳述によって通常は1回で結審し、次回に判決言い渡しとなります。従って、2回公判が行われることが多いです。
なお、裁判官によっては、事案が複雑ではなく執行猶予付き判決の場合に第1回目の公判のその場で判決の言い渡しまですることもあります。
(2) 否認事件の場合
否認事件では、検察側証人の証人尋問、弁護側証人の証人尋問が主戦場になります。検察側、弁護側いずれも相手方証人への反対尋問によって、相手方証人の証言の信用性・証明力(証人の話がどれだけ信用できるものかどうか)をどの程度弾劾できるかがポイントになってきます。
証人尋問を終えると「被告人質問」となり、ここでは検察側の反対尋問が重要になります。弁護側としては反対尋問によって被告人に不利な形勢となった場合には再主尋問でどれだけ挽回するかがポイントになってきます。
これらを終えると、検察側の「論告求刑」、弁護側の「弁論要旨」の陳述を行い、結審となり、次回に判決言い渡しとなります。
公判の回数は、どれだけ証人を呼んで尋問を行うかなど争い方によって大きく変わってきますが、いずれにせよ複数回にわたることになり、裁判が終わるまで長期になることが多くなります。

被告人が起訴事実(公訴事実)を認めている情状事件で個人的法益を侵害する犯罪の場合は、示談の取り付けや被害弁償が重要となってきます。
一方で、被告人が起訴事実(公訴事実)を争っている否認事件では、証人尋問での検察側証人への反対尋問、弁護側証人への再主尋問(検察官の反対尋問で不利な形勢となった場合)がポイントとなってきます。
これらの反対尋問や再主尋問はとっさの判断が尋問の良し悪しにつながってきますが、弁護士によって得手不得手があるのが実際です。

当事務所では、起訴前弁護が極めて重要であると考えております。起訴前弁護の成果如何では不起訴になる可能性があることや、仮に起訴されても当初逮捕された際に問われた重い犯罪ではなく、より軽い犯罪を公訴事実として起訴されることもあります。
公判では、すでに述べましたように、被告人が起訴事実(公訴事実)を認めている情状事件では、被害者への被害弁償や示談が重要となっていきますし、被告人が起訴事実(公訴事実)を争っている否認事件では、証人尋問への対応が極めて重要となってきます。

当事務所では、所属弁護士全員が刑事弁護をすることはしておりません。それは刑事弁護にあう弁護士と合わない弁護士がおりますので、弁護士の適性を見て、当初は刑事弁護の補助をしてもらいながら刑事弁護経験を積ませた上で、単独でも刑事弁護ができる弁護士のみを刑事弁護責任者として刑事弁護に当たらせております。

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